2015.09.16
こんにちは、根本です。
厚生労働省が今年6月に発表した国民年金の納付率は63.1%です。というこ
とは、およそ4割近くが未納ということになります。この数字だけ見ると確
かに「年金破綻」という言葉は現実味を帯びて聞こえるのかもしれません。
しかし、この数字は国民年金にのみ加入している人の納付率です。日本の年
金制度は国民年金、厚生年金、共済年金から成っています。そして、厚生年
金、共済年金は国民年金とまったく別物というわけではなく、厚生年金、共
済年金に加入すると、同時に基礎年金とも呼ばれる国民年金に加入すること
になります。年金制度全体で見ると国民年金のみ加入者は26%弱に過ぎず、
約7割が厚生年金、共済年金のどちらかに加入しています。
これを踏まえて今一度、年金全体の納付率を見てみましょう。納付率はぐっと
上がって96.5%になります。実は、未納者はたった3.5%に過ぎないのです。
では、なぜ巷では「年金破綻」などと騒がれているのか。ひょっとすると、
国民年金のみの低い納付率をわざわざ引き合いに出して悪い印象を与えるこ
とで、数多ある金融商品にお金を集めようと画策している人たちがいるのか
もしれません。ですが、年金は巷の金融商品と比較してもはるかにお得とい
う事実も忘れてはいけません。
ニュースなどで騒がれていることだけで判断するのではなく、様々な情報を
集め、数字を使って物事の真相を見極める。ライフネット生命の出口治明氏
の著した『日本の未来を考えよう』では、出口氏がそれを実践して、経済、
政治、文化、産業など、様々な切り口で本当の日本の姿を浮き彫りにしてい
ます。
私たちが暮らす日本の未来は今どこに向かっているのか、このままでいいの
か、あるいは方向転換しなければいけないのか、この本を読むことで出口氏
の示す未来像を楽しみながら、情報を集め、数字から物事の真相を見極める
力を養うことができます。
ちなみに、年金に関しては他にも「支払った額より貰える額が少ない」とい
う議論がなされますが、これについてもこの本では、そのカラクリを解き明
かしています。興味のある方は、ぜひ手にとって見てみてください。
【日本の未来を考えよう】
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(根本輝久)