編集者コラム

2014.10.08

根本さん
視覚を制するものは、ビジネスを制する

こんにちは、編集部の根本です。

ボクシングの世界では「左を制する者は世界を制す」という言葉が
あります。僕のような素人はストレートやアッパー、フックなどの
目立ったパンチに目を奪われがちですが、大事なのは基本となるジ
ャブであるという意味が込められているそうです。

マンガ『はじめの一歩』世代の僕は、稀代の名勝負、鷹村守×ブラ
イアン・ホークの世界戦で、鷹村のまさに世界を制する左を目の当
たりにし、涙を流したものでした。ボクシングではジャブという基
本がそれだけ大切ということになります。

さて本題に入りますが、「視覚を制するものは、ビジネスを制する」
とはどういうことなのでしょう。

実は、ヒトは情報の90.9%を視覚から得ています。「見る」という
行為によって得た膨大な情報のなかから意識にとどまったわずかな
情報を元にヒトの脳は様々なシミュレーションをします。そうした
シミュレーションによってヒトは錯覚を引き起こし、錯覚は時に期
待を抱かせます。期待は感情を呼び、感情は行動に駆り立てる。つ
まり、「見る」という行為によって得た情報が人を動かすのです。

『問題解決のあたらしい武器になる視覚マーケティング戦略』の著
者であるウジトモコ氏は、視覚を上手に操り、感情を刺激し、行動
に駆り立てる視覚マーケティング戦略を使って、企業が抱える問題
も解決できると言います。

「売り上げを上げたい」「ブランド力を上げたい」「顧客満足度を
上げたい」「人をやる気にさせたい」などなど、これらの問題の解
決を図るために大切なことは視覚を制することなのです。

本書では、視覚、つまりビジュアルやデザインの力を使って企業の
様々な問題を解決する手法を、事例を用いながら説明していますが、
ビジュアルやデザインの力はデザイナーよりもむしろ企業の問題解
決を図るビジネスマンにこそ必要な知識とウジ氏は言います。

デザイン思考という言葉が注目されている昨今、ビジネスマンの必
須の知識として視覚マーケティング戦略について学ぶ機会を考えて
みてはいかがでしょうか。問題をロジカルに考えて解決策を探って
きた人ほど、まったく異なるアプローチの問題解決に出会えるかも
しれません。


【問題解決のあたらしい武器になる視覚マーケティング戦略】
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(根本輝久)