マネジメントの本

「事業を創る人」の大研究

「事業を創る人」の大研究
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著者:
田中聡/中原淳
定価:
2068円(本体1880円+税10%)
発行日:
2018/2/1
ISBN:
9784295401568
ページ数:
223ページ
サイズ:
210×148(mm)
発行:
クロスメディア・パブリッシング
発売:
インプレス
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人を育て、事業を創り、未来を築く 変われ、新規事業のパラダイム!

「千三つ」と呼ばれるほど、新規事業を当てるのは難しいと言われています。

これまで、新規事業は成功を収めた企業や経営者による「戦略論」によって語られてきました。

しかし、戦略が良くてもコケるのが現実。では一体、何が真の問題なのか…?

 

本書では、その答えを探るべく、暗中模索の新規事業を統計データと質的データを用いて解剖し、新規事業をめぐる現場と組織を科学的に分析しました。

その結果見えてきたのは、新規事業部に配属された人々の孤独な茨の道。

 

「新規事業を成功させるのは斬新なアイデアではなく巻き込み力」

「新規事業の敵は『社内』にあり」

「出島モデル、ゼロイチ信奉の罠」

 

など、定説を覆すような、"人"をとりまく現実が明らかとなりました。

本書は、新規事業の担当者、現場マネジャー、経営幹部を成功に導く最先端の「見取り図」です。

著者紹介
田中聡/中原淳(たなか・さとし/なかはら・じゅん)
田中聡(たなか・さとし)
1983年、山口県周南市生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程(中原淳研究室)在籍。株式会社パーソル総合研究所主任研究員。立教大学経営学部兼任講師。一般社団法人経営学習研究所理事。東京大学大学院学際情報学府修士(学際情報学)。慶應義塾大学商学部を卒業後、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)に入社。事業部門を経て、2010年に同グループ初のシンクタンク組織である株式会社インテリジェンスHITO総合研究所(現・株式会社パーソル総合研究所)設立に参画。専門は、人的資源開発論・経営学習論。主な研究テーマは、新規事業担当者の人材マネジメント、次世代経営人材の育成とキャリア、ミドル・シニアの人材マネジメントなど。主な論文に「新規事業創出経験を通じた中堅管理職の学習に関する実証的研究」(『経営行動科学』 Vol.30 No.1)など。

中原淳(なかはら・じゅん)
1975年、北海道旭川市生まれ。東京大学大学総合教育研究センター准教授。大阪大学博士(人間科学)。東京大学教育学部卒業後、大阪大学大学院人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発・リーダーシップ開発について研究している。専門は人的資源開発論・経営学習論。著書に『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『フィードバック入門』(PHP研究所)など、共著に『アルバイト・パート採用・育成入門』『企業内人材育成入門』(以上、ダイヤモンド社)など多数。

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もくじ

はじめに
「事業を創る人と組織に関する実態調査」の概要

序章 事業創造の実態を探る
1新規事業創造論の盲点は「人」
2新規事業の成功確率は“挑戦母数”がカギ
3新規事業の敵は、「社内」にあり
4「新規事業は君に任せた」と言った時点でゲームオーバー
5新規事業に関わる全ての人のための「見取り図」

第1章 新規事業は「人」で決まる
1そもそも「事業を創る」とは
「事業を創る」の定義
さまざまな新規事業の形
オープンイノベーションという新たな潮流

2「事業を創る」の現状
加速化する新規事業への取り組み
新規事業の成功確率は“千三つ”?

3問題は「人材」にあり、と決めつける前に
「新規事業を担う人材の能力不足」を嘆く経営者
事業を創るのに本当に必要な能力とは
新規事業創出施策を迷走させる
  「アイデアが必ず腐るメカニズム」
真の課題は、人や事業をとりまく「構造」にあり

4創る人をもれなく「廃人」にする魔の見取り図

5「事業を創る」は“三位一体”である

第1章 まとめ

第2章 データで見る、創る人の実像

1入社前の実像【学生生活編】
リーダーシップを発揮していたか?
社会人との関わりがあったか?
就職活動で何を重視していたか?

2入社後の実像【初期キャリア編】
どんな業務経験を積んでいたか?
既存事業での豊富なキャリアは「武器」になるか?

3「成功する」創る人の特徴
「バカな」を「なるほど」に変える
尖った一匹狼より、周りを巻き込む交渉人
あり合わせ料理の達人、エフェクチュエーター

第2章 まとめ

第3章 創る人を発掘し、任せる

1創る人の選び方
実力は確かでも後ろ向きのエースに任せてはいけない
業績志向人材と成長志向人材、どちらに任せるべきか?
経験者にはセカンドチャンスを

2新規事業の任せ方
なぜ、任せ方が重要か― 「獅子の子落としモデル」の弊害
ゲームのルールが変わる― テトリスからシムシティへ
新規事業ワクチン「RJP」と「RDP」
なぜ、あなたなのか? という意味づけ
出口のイメージをすり合わせる─成功したとき、失敗したとき

3「任せた」で終わらない
共同登山のスタンスを明確に

第3章 まとめ

第4章 創る人を支える

1創る人を待ち構える“死の谷”
“新規事業村”へ飛び立ったはずが……?

2創る人が直面する悶絶体験──4つのジレンマとの戦い
「既存事業部門」ジレンマ
「経営層・上司」ジレンマ
「部下」ジレンマ
「自己」ジレンマ

3創る人は孤独
支える人不在の現状
なぜ、支えることが重要か?― 事業を創り、人を育てる
キーマンは「経営者」「新規事業経験のある上司」"
  「社外の新規事業担当者」

4創る人を支える人
経営者がとるべきスタンスは?
専任上司と掛け持ち上司。成果を出すのはどっち?
社外の創る人と積極的に関わる機会を

第4章 まとめ

第5章 創る人と事業を育てる組織

1既存事業との対立構造にどう向き合うか
「出島モデル」の功罪
最大の武器は社内にあり─ ゼロイチ信奉の罠
既存事業と新規事業、その遮断と接続のバランスとは

2人と事業を育てる組織風土
組織風土の重要性
①会社の本気をトップ自らが示す
②創る人が損をしない仕組みをつくる
③全員が創る人になる仕掛けを用意する
④新規事業を全社で育てる「育成事業」ととらえる

3人と事業を育てる人材マネジメント
①着任前のキャリアデザイン
②着任時の人事評価制度
③離任後のキャリアパス
④創る人の転職・独立意向

4人と事業を育て、会社の未来を創造する
創る人を育てる、ということ
人を育て、事業を創り、会社の未来を築く

第5章 まとめ

第6章 Interview 事業を創る先進企業の最前線
〈テーマ〉
企業の中で事業を創る人とは、どういう人なのか?
創る人が活躍するために、組織はどうあるべきか?
サイバーエージェント 曽山 哲人さん 東レ経営研究所 手計 仁志さん
聞き手
田中 聡 中原 淳

おわりに

特別付録 新規事業は「人を育てる」― 創る人の成長プロセス

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