社会・経済の本

2025年、人は「買い物」をしなくなる

2025年、人は「買い物」をしなくなる
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著者:
望月智之
定価:
本体1480円(税別)
発行日:
2019/11/21
ISBN:
9784295403432
ページ数:
192ページ
サイズ:
188×130(mm)
発行:
クロスメディア・パブリッシング
発売:
インプレス
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小売・メーカー・ECで今まさに起きているイノベーションを伝えつつ、
「およそ5年後の近未来」を予測することが本書のテーマだ。
具体的には、「デジタルシェルフ」というキーワードを通して、
これまでの消費の変遷やこれからのトレンドを、やさしくお伝えしたい。
とはいえ、学生・主婦・新社会人といった方にもお読みいただけるよう、
内容としては、できる限り難しい話を避け、わかりやすさを重視した。
いわゆるマーケッターではない、すべてのビジネスパーソンの方々に読んでいただきたいからだ。

▼「デジタルの棚」を握る者が次の時代をリードする
皆さんは、ITの発展によって、いま「買い物」をめぐる動きや勢力地図が大きく変わっていることに
お気づきだろうか。たとえば、ウェブはスマホにシフトし、5G(第5世代通信技術)や
DtoC(Direct to Consumer)といった新しい技術や考え方が本格化。AI技術のさらなる進展や
Amazonの動向も気になるところだが、一方でリアル店舗の数は確実に減少を始めている。
戦前から現在の約100年間という時間軸でショッピング史を見ていくと、それは「棚の奪い合い」を
続けてきた歴史だった。その「棚の奪い合い」の舞台は、インターネットの誕生から四半世紀を経て、
確実にデジタル上に移っている。

そうした中、いまEコマース(EC)の世界で大きな変化として語られる最新の考え方が
「デジタルシェルフ」である。これは直接的には、いままでお店にあった「リアルな棚」が、
手のひらのスマートフォンの中にある「デジタルの棚」に置き換えられることを指している。
ただ、変化はそれだけにとどまらない、これからはメディアや道行く人、家電など、
あらゆるものが「商品棚」になるのだ。
たとえば、SNSでフォローしている人やたまたま道ですれ違った人が持っているものと同じものを
その場で注文する。映画やドラマを観ながら、登場人物が着ている服を注文する。
冷蔵庫の中の常備品が切れるタイミングで勝手に商品が送られてくる。スマートウォッチなどの
ウェアラブルデバイスが体調の変化を感知して、必要な栄養を含んだ食材を届けてくれる。
このように、日常生活のあらゆるシーンに買い物が入ってくるのである。
今後は、リアル店舗の棚のシェアではなく、この「デジタルシェルフ」のシェアこそが、
多くの企業の命運を握ることになる。

▼日常生活で「買い物」をしている感覚はなくなっていく
こうした変化が進展していくことで、人々は間違いなく「買い物をしなくなる」。
もちろん、お金を支払って何かを買うことがなくなるわけではない。なくなるのは、
これまでの買い物におけるさまざまなプロセスだ。店に行くことや、現金を用意すること、
商品の現物を見ること、さらには商品を自分で選ぶことさえも含まれる。これまで当たり前だった
プロセスが次々に省略され、そのうち「買い物をしている」という感覚さえなくなっていくのだ。
本書では、こうした動きを「消費者視点」で見ながら、近未来を予測する。

アメリカや中国では、もはや消費者にとって買い物は「面倒くさいもの」という扱いになっていて、
必要なはずだったプロセスを次々に省略している。
たとえば、以前は「たくさんのものの中から選べる」ことがネットショッピングの価値だったが、
いまや大半の消費者は、「選ぶ」ことは面倒くさいと感じている。こうした状況でAmazonは、
買い物の大半は「摩擦」だとして、顧客が求めているものをAI技術により推測して提示するなど、
摩擦をできる限りなくす方向に動いている。欧米のハイブランドも、もはや「ショッピング体験」
ではなく「Unboxing(アンボクシング=届いた箱を開けること)」の部分の演出に力を入れている。

こうした変化をまとめつつ、約5年後の近未来を占う一冊、あなたにもぜひ読んでほしい。

著者紹介
望月智之(もちづき・ともゆき)
株式会社いつも.取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつも.を共同創業。同社はコンサルティング会社として、現在までのべ9000社以上の企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの第一人者として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。

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もくじ

はじめに

第1章 ショッピング体験の進化で、人々は「買い物」をしなくなる
買い物はこんなに面倒くさい
人々は買い物のために店に行かなくなる
店舗離れを加速させたウェブルーミング
ネットを介して「情報につながる」
品揃えのよさ」に価値はない
「体験型」の店舗が生き残る時代へ
「選ぶのが面倒」な人たちはAIを信じ始めた
テレビCMよりも口コミを信じる消費者たち
サブスクリプション(定額制)で音楽を聴く人が増えた理由
世の中のあらゆるものが「サブスク化」される
サブスクで利用メリットが大きいものの「ある共通点」とは?
「買っているのに所有しない」―われわれの概念を変えたメルカリ
アパレル業界へのメルカリの意外な影響
価格の最適化で比較サイトが消える!?
「楽しくない」のに選ばれるAmazon
買うプロセス省略でも残る楽しみは「開封の儀」

第2章 ショッピングはどう発展してきたのか
戦後に伸び続けた百貨店と個人商店
自動車の普及で台頭したスーパーマーケット
チェーンストア理論による大型専門店の登場
「ショッピング史」は棚を奪い合う歴史だった
インターネットの普及で棚が「家に来た」
現代人の生活スタイルを一変させた「レビュー」
スマートフォンの普及で棚が「手元に来た」
若者は「ググらない」
大企業もマス戦略から「スモールマス戦略」へ
プライベートブランドが席巻するカラクリ
棚を奪われたメーカーの「DtoC」という反撃

第3章 リーディングカンパニーたちが目指すもの
物流コスト上昇で見え始めたECの限界
「便利さ」に飽き始めた消費者が求めるもの 食品会社がいまや安全より重視するのも「時間」
棚の獲得競争からスマホの「時間獲得競争」へ
無人コンビニが「世界標準」になる時代
ウォルマートで車から降りずに買い物ができる
中国のラッキンコーヒーがスタバを超える日
世界一のIT先進国はもはやアメリカではない
グーグルが目をつけた「運転中」の時間
パーソナライズで攻勢をかけるリーバイス
自分で好みを見つけるAmazonの「Discover」
ロレアルがARの企業を買収したワケ 加速するインフルエンサーマーケティング
「うどんインスタグラマー」まで登場!?

第4章 さらなる進化、「デジタルシェルフ」へ
あらゆるデバイスが商品棚になる
データドリブンにより始まる「無意識の買い物」
データの活用で変わるメーカーの現場
映画のキャスティングも顧客データで決まる 日本がデータドリブン社会になりづらい事情 「自分で気づかないマーケット」の開拓
「コミュニケーションがある場所」がどこでも店舗になる
質よりも共感できるストーリーで売れていく
アメリカでは個人がつくった商品が大ヒット 共感を得るストーリーの2つのセオリー
日本でも個人がDtoCに目覚め始める
デジタルシェルフは5Gで加速する

第5章「人々が「買い物」をしなくなる未来」の先にあるもの
買い物時間が「0秒」になって消えるもの
いつでも「バーチャルコンシェルジュ」が帯同
サブスクで人がモノを持たなくなる時代
ネットを「人が検索する」シーンはなくなる!?
行動がスコアリングされて個人情報が筒抜けに
買い物を楽しく創造的にするのは私たち消費者

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