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経済的自由への道は、世界のお金の授業が教えてくれる―人生の選択肢が広がるパーソナルファイナンスの教科書―

経済的自由への道は、世界のお金の授業が教えてくれる―人生の選択肢が広がるパーソナルファイナンスの教科書―
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著者:
西村隆男
定価:
1628円(本体1480円+税10%)
発行日:
2020/1/11
ISBN:
9784295403814
ページ数:
224ページ
サイズ:
188×130(mm)
発行:
クロスメディア・パブリッシング
発売:
インプレス
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「お金」の問題は誰にとっても身近なのに、多くの人が体系的に学んだことがありません。 本書は、「コーポレートファイナンス(企業財務)」や「パブリックファイナンス(政府財政)」と並ぶ お金の学問である「パーソナルファイナンス(個人のマネー管理)」の入門書。 大学教授が中立的な立場で、「お金」について解説します。


「老後のために投資をしましょう」と言われても、何から始めていいのかわからない。
お金のプロに聞いてみたいと思っても、「銀行や証券会社は自分たちのビジネスに有利なことを言うに違いない」
と疑心暗鬼になってしまう。知人に「これがいいよ」と薦められた保険などの金融商品を、
内容をよく理解せず買っている。
こういう状態を脱するには、「お金」について学ぶしかありません。

アメリカの一部の州ではわずか10歳で「複利」を学び、「パーソナルファイナンス」が高校の必修科目となっています。
北欧でも自立した大人を育てる教育の一環として、お金の教育がさかんにおこなわれています。
一方、日本では、投資による資産形成が一般に広まってきてはいるものの、
学校で「お金」について学べる機会は少なく、不十分です。「パーソナルファイナンス」という学問があること自体、
日本ではあまり知られていません。

本書は、金融教育を専門とする大学教授が、自分の望む人生を実現するために知っておきたい「お金」の基礎知識を
体系的にわかりやすく解説した、「パーソナルファイナンス」の入門書です。「お金」についての選択を迫られたとき、
人に勧められるままに行動するのではなく自分の頭で考えるために、また、お金に振り回されるのではなく自らお金を
コントロールするために必要な知識をお伝えします。

著者紹介
西村隆男(にしむら・たかお)
横浜国立大学名誉教授。経済学博士。
財団法人消費者教育支援センター主任研究員、横浜国立大学助教授、アイオワ州立大学客員研究員などを経て、2000年より横浜国立大学教育人間科学部教授、東京学芸大学連合大学院博士課程教授(兼務)。2017年定年退官、現在は横浜国立大学名誉教授。
専門は金融教育、パーソナルファイナンス、消費者教育。消費者教育推進会議会長、日本消費者教育学会会長などを歴任。現在、文科省消費者教育推進委員会委員長、金融経済教育推進会議委員、金融広報中央委員会委員などを務め、全世代にわたる国民の金融リテラシー向上を目指した活動を続けている。
著書に『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46のお金の知識』(合同出版)、『子どものおこづかい練習帳』(主婦の友社)、『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)などがある。

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もくじ

はじめに
お金についてあまり学ぶことなく、大人になってしまったあなたへ

マネー力診断チェックリスト

第1章 いま、「お金」について学ぶ理由
1 実践的! アメリカの「お金」教育
実学重視のアメリカの教育
アメリカでは、民間組織が「お金」教育をサポート
アメリカでは、投資の基礎も小学校で学ぶ! 「お金」の教育は、アメリカの国家戦略

2 自立を目指す! 北欧の「お金」教育
「考えさせる」北欧の教育
自立して生きていくための「お金」の教育
パーソナルファイナンスの重要性は高まるばかり

3 日本は「お金の話はタブー」の文化をいますぐ捨てろ!
日本に「お金」の教育は存在しなかった?
預金や保険、株式が「商品」になった日
日本人の5割は緊急時のお金を確保していない

4 人間は「非合理な行動」をとる生き物
負け続けると、大きなリスクを取ってしまう──損失回避バイアス
「このままが楽」だから、変えようとしない──現状維持バイアス
他人の意見に流される──同調的行動
思い込みで行動する──ヒューリスティック

column1 リーマンショックで世界が大混乱!
column2「持続可能な社会」は、世界が抱える課題

第2章 お金のセンスは「経済」の考え方で磨かれる
1 ダイヤモンドが高いのはなぜ? ──希少性
ダイヤモンドと石ころの違いは?
お金もまさに希少資源!
大都市圏の地価は高い

2 ある選択をして失う利益は? ──機会費用とトレードオフ
二兎追えないときは、どちらを選ぶ?
かしこい選択をするには?

3 お金をかける価値はあるか? ──コストとベネフィット
コストとベネフィットを天秤にかける
サンクコストの呪縛
なぜ、コストをかけるのか?

4 あなたの行動は会社の思うツボ? ──インセンティブ
ポイントカードの巧みな戦略
ボーナスは成果しだい
普通預金のインセンティブは?

5 十分な情報を持っている? ──情報の非対称性
少ない情報をもとに選択する人々
売り手側に情報が少ない商品
中古車を買うのは不安?

column3 過払い金が無料で戻ってくる?
column4 世界の富豪たち

第3章 自分の頭で考えるための「お金」の基礎知識
1「お金」に働いてもらおう
普通預金をしていれば、あなたも債権者
複利と単利ではこんなに違う!
「72」は魔法の数字
いまの9万円と1年後の10万円
「毎年10万円を受け取る」という約束
投資のメニューには何がある?

2 生きている限り「リスク」はついてまわる
未来は誰にもわからない
リスクに対処する4つの方法
金融商品を購入するときの注意書き
金融商品のリスクには何がある?
ハイリターンなものはハイリスク!

3「相場」は怖くも、おもしろい
「相場」って何?
昔は、1ドル360円で固定されていた
1日でも変動幅が大きい外国為替相場
株取引の基本

4 リスクを減らす取引の工夫
新たに生まれた金融商品
売買する「権利」を売買する
オプションを売り買いする

5 少ない資金で大きく稼ぐ?
FX取引で最も取引される米ドル
最大25倍の取引ができるFX
儲けが大きい分、損失も大きい

column5 クラウドファンディングで資金調達!
column6 奨学金破産を防げ!

第4章「お金」をマネジメントする
1 人生っていくらかかるの? ──ライフプランニング
正確な収入を知っていますか?
負債を利用すべきか?
バランスシートで家計を評価する
キャッシュフロー表で未来の計画を立てる
◆Action1 5年分のキャッシュフロー表をつくろう

2「もしも」にいくら備える? ──リスクマネジメント
健康上のリスクに備える
保険料はこうして決まる
医療保険って、本当に必要ですか?
財産上のリスクに備える
保険を見直すタイミング
◆Action2 リスクと備えを洗い出してみよう

3 お金の運用は長期視点で! ──ポートフォリオマネジメント
「ポートフォリオ」って何?
重要なのは「何に投資をするか」ではない
3大要素のバランスを考える
利回りを予測する
いつ買うかが問題だ
銀行や証券会社が倒産したら?
◆Action3 ポートフォリオをつくってみよう

4 老後破産を防ぐ! ──リタイアメントプランニング
年金はいくらもらえる?
セカンドライフに何をする?
セカンドライフの資金のつくり方
年金だけでは生きていけない?
「確定拠出年金」って何?
確定拠出年金の運用先はどう選ぶ?
◆Action4 あなたのセカンドライフに不足する金額は?

5 あなたも私も納税者! ──タクスプランニング
あなたの所得税はいくら?
源泉徴収票を見てみよう
確定申告でお金が返ってくる?
意外に簡単! 確定申告をするには?
非課税となる制度を利用しよう
◆Action5 確定申告すると、いくら戻ってくる?

6 急速に進むキャッシュレス ──デジタルマネーマネジメント
支払いはすべて、スマホひとつで!
デジタルマネーの落とし穴
仮想通貨は「通貨」か?
セキュリティは大丈夫?
使い過ぎに注意!
給料がアプリで送金されるようになる?
ロボアドバイザーは活用すべき?
column7 ノーベル平和賞が授与された民間の銀行
column8 どれだけのお金があれば、40歳で引退できる?

おわりに

もっと詳しく知りたいと思ったときは?

索引

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