森田先生は、「目の前の一歩に集中し、成功への一歩を踏み出せ」ということを強調されていますが、具体的にはどんな行動があてはまるのでしょうか。
そうですね。みなさんが意外とできない、躊躇してしまう行動に「とりあえず聞いてみる」というものがあります。これは腕力も必要ないし、頭の回転の速さも関係ありません。とても楽ちんな作業なのですが、できない人が多いです。
しかし、やってみるとその効果は絶大です。
例えば、私が加圧トレーニングを導入した時の経緯をお話しましょう。
私が加圧トレーニングを知ったのは、スポーツドクターの講習会で石井直方先生の講義の中で加圧のお話をされていたのがきっかけでした。私は講義を聞いた瞬間に「この方法は素晴らしい。極めて理にかなっている」と確信しました。と同時に「ぜひ自分でもやってみたい」と思ったのです。
ところが値段を調べてみると、とても高いじゃありませんか。これはどうしたものかと悩みました。そこで私が考えた方法は、「石井先生に共同研究を提案する」というものでした。私の医局の大先輩の先生が石井先生とお知り合いだったので、その先生に電話することにしました。
「加圧トレーニングは生活習慣病の患者さんにも有用だと思うので、ぜひ共同研究をしたいと思います。そこで石井先生を紹介していただけないでしょうか。」と、

とりあえず聞いてみたのです。

その結果、石井先生から発明者の佐藤先生を紹介していただき......と、全部話せば長くなりますが、今日に至るわけです。
私が「とりあえず聞いて」みなかったら、東大病院に加圧トレーニングの講座はできてなかった......かも知れません。
このように、「とりあえず聞いてみる」あるいは「とりあえず言ってみる」というのは、絶大な効果を発揮します。
もちろん、聞いてはみたものの、相手の反応がイマイチということも多々あります。
でも、「言うのはタダ」ですから、見返りがなくても気にしなければいいだけです。
ただし、発言の内容は気をつけてくださいね。相手を不快にさせるのはよくありませんので。
ちなみに、今回のクロスメディアさんからの出版も「とりあえず聞いてみた」ことがきっかけです。