編集者コラム

2015.07.30

「夏休み」でマネージャーの力量が試される!?


7月ももう終わりですね。今月・来月あたりは、夏休みを取る方も

多いと思いますが、あなたの会社は休みを取りやすいですか?

これは「会社全体の雰囲気」というより、「部署のマネージャーが
どんな人か」によるかもしれません。

実は、「お休みの取り方・取らせ方」にも、マネージャーの力量が
意外と表れたりします。

大きい会社では、(場合によっては組合と経営との話でもあって)
夏休みはマネージャーの意思とは無関係の福利厚生だと捉えられて
いる場合も多く、仕事がホワイトカラー的であることも多いので、
単に「ちゃんと申請出しといてね」で終わるのがほとんどですが、
特に店舗など、少ない人数で回している職場はそうはいきません。

そんな職場のマネージャーは、例えば部内でキーになる人などには
事前に「ここは君にいてほしい」と伝えたり、いろいろと細やかな
根回しをしておく必要があります。

最悪なのは、「カレンダー貼り出しておいたから、夏休みの希望を
書いといてねー」と特に制限もなく言っておいて、いざメンバーが
希望日を入れたら「なんでこの日に休むの?」とかいきなり激詰め
するマネージャーです。

部員からすると内心、「えっ、なんでと言われても、夏休みだし、
希望書いてねって言われたんで書いたんだけど、ダメなの……?」
と思ってしまいます。

なんだかんだ言っても、部下が上司に望むことの一番は「この人、
いざというときに、自分を守ってくれるかな」ということ。これは
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、仕事場での最低限の
「生存保証」です。自分の生存も保証されていないような職場で、
「この会社のために働こう!」と思う人は、よほど奉仕マインドに
あふれた人格者か、よほどのマゾくらいしかいないでしょう。

この観点で見ると、休みの希望を出したあとにいきなり激詰めして
くるような上司には、まぁ、「守ってくれること」はあんまり期待
できませんよね……。

で、こうしたことが重なると、「こいつにこの情報を渡すと自分が
不利になる」「自分の手柄を横取りされるかも」と部下も考える。
結果として、ミスの情報はもちろん、それ以外の重要な情報でさえ
マネージャーに上がっていかないという状況になってしまいます。

そんな上司のいる部署は、人が入っては辞め、異動してきては辞め
という状況が続きます(ここまでいけばもう末期症状ですけど)。

これらはとくに、プレーヤーとして優秀で、その功績が認められて
マネージャーに昇格した人にありがちな話です。今年3月に刊行の
『優秀なプレーヤーは、なぜ優秀なマネージャーになれないのか?』
は、この問題を正面から取り上げています。

優秀なプレーヤーと優秀なマネージャーとでは、根本的な考え方が
まったく異なること、どんなマネージャーにも「得意・不得意」が
あっていいということが、この本の主張です。

・優秀なプレーヤーで終わる人は、自分を守る
 優秀なマネージャーとなる人は、まわりを守る

・優秀なプレーヤーで終わる人は、論理で話す
 優秀なマネージャーとなる人は、ストーリーで話す

・優秀なプレーヤーで終わる人は、やり続ける
 優秀なマネージャーとなる人は、止める術を知っている

・優秀なプレーヤーで終わる人は、休まずに仕事をする
 優秀なマネージャーとなる人は、休み方を知っている

など、目からウロコの指摘・考え方が詰まった本書、おかげさまで
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【優秀なプレーヤーは、なぜ優秀なマネージャーになれないのか?】

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