編集者コラム

2017.06.14

ビジネスマンなら知っておきたい「いい靴」の条件


 「安い靴は不経済だからね」  元英首相トニー・ブレア氏がインタビューで答えた言葉です。  彼は首相在任中も含め、一足の靴を18年間履き続けていました。その靴と  は、1997年の首相就任より前に、中部ノーサンプトンの老舗靴メーカー  「チャーチ」で購入したフルブローグ(ウィングチップ)。毎週の質疑応答  では必ずこれを履き、この発言の時点で、靴底はまだ1回の交換で済んでい  たそうです。  ちなみに購入当時の値段は150ポンドと、当時としてはそれなりにいい値段  のものだったはずです。


 靴はビジネスマンの必須アイテム。「どんな靴を履いているのか」に、その  人の性格や仕事の仕方があらわれると言っても過言ではありません。つま先  が汚れていたり、かかとがすり減っていたり、あるいは見るからにヨレヨレ  だったり……。  ろくにメンテナンスもせず、こんなだらしない靴を履いていたら、得られる  はずの信用も失ってしまいます。


 なかには「靴は消耗品」「どうせ履きつぶすものに手入れは要らない」とい  う人もいるでしょう。でもそれは、いわば二流の考え方です。冒頭のブレア  首相のように、一流といわれる人たちは、高いブランドものを買い集めるの  でもなく、安い靴を履きつぶすのでもなく、自分の足に合った上質な一足を  見つけ、大切に履き続けます。  そうして多くの時を共にした靴は、まさにかけがえのない「相棒」。  仕事、そして人生をより実りあるものにしてくれるアイテムとなるのです。


 一つのものを大切にするという姿勢からは誠実で実直な人柄を感じますし、  それはそのままビジネスに対する姿勢とも見て取れます。さらにメンテナン  スを面倒がらずにきっちり行えるのは、マネジメント力にも長けている証  拠。  本当に「いい靴」とは、そういうことが瞬時に伝わってくる一足のことでは  ないでしょうか。


 新刊『一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか?』では、「そもそもビ  ジネスマンにとって靴とは何であるのか?」を深堀し再定義するとともに、  基本のスタイルやデザイン、製法から、ビジネスにおける足もとのTPO、  スーツと合わせるときのワンテク、さらには自分にぴったりの靴の選び方、  長く履くためのメンテナンス術などを紹介。  靴にまつわる哲学と美学と知識が詰まった、ビジネスシューズのすべてがわ  かる一冊です。


 靴との向き合い方、見直してみてはいかがでしょうか。


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