仕事術・ビジネススキルの本

いる接客、いらない接客

いる接客、いらない接客
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著者:
齋藤孝太
定価:
1738円(本体1580円+税10%)
発行日:
2022/1/1
ISBN:
9784295406358
ページ数:
272ページ
サイズ:
188×130(mm)
発行:
クロスメディア・パブリッシング
発売:
インプレス
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2030年、80%の接客は消滅する!? 顧客育成コンサルタント/ファンを育てる専門家が、これからなくなる接客、これからもずっと残る接客をお伝えします。

ネット通販を使うことで私たちは無駄な時間を減らし、生活は便利になりました。
今、私たちの買い物は、「買い物にまつわる面倒なことをできる限りなくしたい。
できるだけ短い時間で、商品購入のための情報収集・購入判断・決済をすませたい=時短」
の方向で進んでいます。ネット通販はそれを実現してくれます。

しかし、時短によって生み出された時間を、面倒なことを削って生み出した時間を、
私たちは何に使うのでしょうか?
それは、「幸せを感じる時間を増やす」ことです。
これには2つの方向性があります。

1つ目は、自分一人で幸せを感じる時間。「休息・睡眠にあてる」
「テレビ・ユーチューブ・Amazonプライムビデオ・ネットフリックスなどの配信サービスで、
動画コンテンツを楽しむ」などがあります。
2つ目は、誰かと接して幸せを感じる時間。「親子で食事をする」「子どもと遊ぶ」
「友達と会う」「同じ趣味の仲間と過ごす」「みんなで旅行に行く」などがあります。
そして「店舗でスタッフと接して幸せを感じる時間」もこれにあたります。

この「店舗でスタッフと接して幸せを感じるとき」に行われている接客が、「ずっと残る接客」です。
では、ずっと残る接客とはどのような接客でしょうか?
ポイントは、共感・共振・共有です。

本書では、これからの接客に必要な力を、脳科学・仏教・カウンセリング・物理・
これからの働き方など、異分野に視野を広げて、お伝えします。
さらに、トーク例を使いながら、実務レベルにまで落とし込みました。

本書を読んでほしい人
・現場で接客の実務に携わる皆さん
・本部スタッフの皆さん
・経営者(事業の責任者)の皆さん

人は生きている限り、幸せを求め続けます。
だから「人を幸せにする接客」は未来永劫必要であり続けるのです。

著者紹介
齋藤孝太(さいとう・こうた)
(株)SIS代表取締役、顧客育成コンサルタント/ファンを育てる専門家。大手メーカーの小売支援の企画立案・店頭活動マニュアルの作成、販売現場の売上アップ支援の経験を活かし、2004年独立。企業の持続的な成長のために、「ファンを育てること」が肝になるという考えから、人を中心とした、ファン育成戦略の立案、仕組み/組織づくり、接客/営業の改善提案、人材教育(講演、研修など)を行い、ブランド・企業、販売員・営業社員のファンづくりを支える。「ファン=何年も通って(買って)くれる顧客」と捉え、企業の現場に馴染み、日々の実践が進化し続けることを大切にしている。主なクライアントには、化粧品ブランド、バイクメーカー、プライベートスポーツジム、ハイジュエリーブランド、メガネチェーン、釣具メーカー、居酒屋チェーン。さらに、アパレル、エステサロン、美容外科、携帯ショップ、SC、エクステリア/園芸、クリーニング、訪問販売がある。

https://sisys.jp

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もくじ

はじめに

序章 未来永劫、ずっと残る接客
1970年代からセルフ販売の拡大で、接客が少なくなった
2000年から広がっている、接客がいらないネット通販
最近の若者の接客に対する意識
2030年、店舗の接客が激減する
ネット通販は、私たちを幸せにしてくれない
これからも、ずっと残る接客は?

第1章 接客の歴史、接客のこれから
接客の根本を見つめ直す
接客のはじまりは、室町時代
呉服・アパレル業界の「店舗での接客販売」は350年前から
飲食業界の「店舗での接客」も350年前から
接客の考え方は、100年間、あまり変わっていない
接客の活動内容、接客教育の変化
接客の3つの役割
接客の役割1 情報を届けてくれる。情報があふれる社会で価値が低下している
マスメディアによって、情報がドンドン流れてくる
ネットから、いつでもどこでも情報を自ら入手できる
インターネットの限界=接客にしかできない情報提供
接客の役割2 案内・会計をしてくれる。IT・AI・ロボットの活躍の場が広がる
商品の場所まで案内してくれるロボット接客、はじまる
飲食業では、配膳ロボットが活躍
会計手続きの機械化は、IT・AIの原点
接客の役割3 幸福感を与えてくれる。人による接客でしかできない!
幸せ研究の変化
幸福感を与える接客は、圧倒的に人が得意
変わる! 人による接客の役割変化

第2章 拡大するネット通販、死角はあるのか
ネット通販を見定めることで、見えてくる
ネット通販の3大メリット「最低価格」「膨大な品揃え」「時短」
弱点1 五感に訴えられない。リピーターになりづらい
弱点2 本当のブランディングが進まない
弱点3 永遠に広告費がかさむ
弱点4 送料の問題がずっと付きまとう
弱点5 ネット通販は、エコじゃない
弱点6 本当に豊かな時間を届けられない
弱点7 お客様に衝動を与えられない。幸せを感じることが少ない
ネット通販に死角あり!

第3章 お客様に近づく、共感接客
ここまでの結論の整理
共感接客とは?
共感は、「お客様の気持ち、わかります」ではない
「お客様の気持ち、わかります」は同感・同情
共感できた時の理想的な状況は?
共感接客は、お客様の承認欲求を満たす
共感は、量が大事
共感量アップに大切なヒアリング。「傾聴」がポイントに
接客に「傾聴」が、大事な業種
広がらない「傾聴」。「お客様とスタッフ」の間柄では難しい
傾聴に入る前に、「想いを馳せる」ことで、共感量アップに繋がる
「想いを馳せる」は、伸びやかで、ずっと続けられる
商品を買いたい人が前提の「傾聴テーマ」では、共感量が増えない
傾聴テーマ「〇〇のある生活×時間軸」で、共感量を増やす
共感の量を増やせるのは、ヒアリング場面だけではない
共感の量を増やす新しい接客、「オンライン接客」「アバター接客」
「共感接客」の実践事例

第4章 お客様を導く、共振接客
共感接客だけでは、行きつけない
共振接客とは?
共振は、物理の世界で使われている言葉
「共振」と「伝達」は違う
お客様から見た共振接客
共振接客で得られる、お客様からの尊敬
共振で必要なのは「想像力」
そもそも想像力とは?
3つの想像力、接客における想像力は?
脳科学の視点からの想像力
想像力を発揮できる「〇〇のある生活の提案」
接客の現場で「〇〇のある生活」を想像する際のポイント
業種によって、企業によって、想像する時間は違う
実際に、想像したことをお客様に話す時の留意点
共振接客は「〇〇のある生活の提案」だけではない
溢れる想いからこぼれる共振、経験豊富なスタッフこそ実践を!
共振接客は「ライブコマース」に向いている
共感から共振、そして共有へ
「共振接客」の実践事例

第5章 お客様とつながる、共有接客
共有接客とは?
今注目されている「感情の共有」
「感情の共有を肝にした接客」=「共有接客」シーン
割烹居酒屋の共有接客シーン(会計後のシーン)
バイクショップの共有接客シーン(納車後、初めての来店シーン)
ガーデニング・園芸店の共有接客シーン(2カ月ぶりの来店シーン)
「共有接客=分かち合う接客」で、日々の実践ハードルを下げる
「分かち合う」は時代の流れとも合致している
「分かち合う接客=共有接客」を増やす工夫
共有は「ツール活用」「SNS」と相性バッチリ
「共有」は、お客様同士でも生まれる
スタッフの考え方・資質、ウェルビーイングへ
プライベートスポーツジムの「共感」「共振」「共有」
「共有接客」の実践事例

第6章 人を幸せにする接客を広げる仕組み
3つの推進方法で広げていく
1つ目の推進方法:ある現場で進めていく
自分、希望者、全員と、徐々に広げていく
現場リーダーがスタッフ一人ひとりをケアする
内部のコミュニケーションも、共感・共振・共有
2つ目の推進方法:教育プロブラムで広げていく
新しい教育に対しての懐疑的な意見は、間違っている
「共感・共振・共有接客の教育」には、ベテランスタッフも参加
研修が1回だけだと、効果は限定的
接客教育のDX、オンライン教育でロールプレイングも!
3つ目の推進方法:接客組織の成長と紐づけて、根付かせていく
理想的な接客像の幅を狭めることで、組織の成長を促していく
成長し続ける接客組織に欠かせない、オリジナル接客マニュアル
マニュアルという言葉を使わない
オリジナリティが乏しい接客マニュアルに留まっている理由
人事制度まで行き着けば、活動が継続する

成長し続ける接客組織の仕組み

おわりに
接客がなくなった週末
ステキな接客を受けた週末

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