私は35歳まで、どこにでもいる普通のサラリーマンでした。それでも今、曲がりなりにも上場企業の社長にまでなれたのは、これまでの様々な人たちと出会い、そして多くのことを学んできたからです。 セブン-イレブン・ジャパン鈴木敏文氏からは商売の心得を、タリーズコーヒー創業者松田公太さんからは情熱と希望を、俺の株式会社、坂本孝氏からは経営者としての心得を。また、これまで一緒に働いてきた多くの仲間たちが気づかせてくれた、たくさんのこと。 これらの学びによって、その度に私は大きく成長しました。わずか30坪のコンビニという小さなお店からスタートした私の学びのストーリー。その小さなお店には、商売をする上で決して忘れてはならない心得が詰まっていました。それを流通・小売に携わるすべての人にお伝えしたいという願いを込めて、本にまとめました。
著者紹介
福井康夫(ふくい・やすお)
1968年千葉県生まれ。91年早稲田大学法学部卒業後、旧三和銀行入行。融資営業の担当業務を通じ流通業に興味を持つようになり、95年セブン-イレブン・ジャパンに転職。店長として売り上げを拡大しながらも、最も残業の少ない店長と言われる。その後スーパーバイザー(OFC)を経験した後、情報システム本部にて店舗システム推進、新規事業の立ち上げを経験。約8年にわたる流通現場の経験を生かし、2004年メディアフラッグ設立。事業コンセプトは「“IT”と“人”をキーワードに、流通業界に新しい価値を創造する」。流通小売業向けアウトソーシング事業を展開し、2012年に東証マザーズに上場を果たす。
もくじ
はじめに
第1章 仕事の原点
仕事への姿勢が人生を左右する
松田公太さんに触発された情熱
第2章 わずか30坪のお店が教えてくれた商売の心得
経済効率だけでお客はやってこない
売り場に自ら立つことが最高の仮説になる
大事な数字こそ疑え
人が変わるのではない、売れるものが変わる
非効率なことが売り上げをつくる
売ってはいけない野菜を売る信念
足りない能力は工夫で補える
第3章 働く仲間から学んだ店長の心得
コンビニを動かすのはシステムではなく人
日本一残業の少ない店長の誕生
成長を実感できる場をつくる
自分をさらけ出す
仕事人としての育ちをよくする
人を動かすには一緒に汗をかけ
信頼関係は数字で見えてくる
第4章 セブン-イレブン鈴木会長の教え
じつはスゴい!地味なことの継続効果
お客さまの変化に合わせて毎日、店を新しくする
「機会ロス」と「廃棄ロス」から学べること
仮説を立てるなら現場で最新のものを
他責型の思考と行動からは何も生まれない
なぜ鈴木会長は同じ話を繰り返すのか
信念をもつことの大切さを教えてくれた鈴木会長
経営者に必要なのは信念と愛
第5章 経営者になって身にしみた経営の厳しさ
起業するだけなら誰でもできる
松田公太さんとの再会と叱咤激励
なぜサラリーマン経営者がうまくいかないのか
ギリギリで踏みとどまれた坂本孝さんの教え
社員と本気で語り合うことの大切さ
頭の良さよりも人柄の良さ
第6章 今も大切にしている経営の心得
経営者にもっとも必要な資質
数字で語れない経営者はなぜ不安なのか
「赤字をもっと出しなさい」という教え
成長の実感とは人の成長である
あえて正社員主義で経営する理由
毎日ダイレクトにメッセージを送る
自分の能力以上のものを発揮するには
変に賢くないほうが何でも出できる
大企業の看板をなくすと見えてくるもの
おわりに
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